毎日ぐっすり眠れない。。。
明日も眠れるか不安。。。
睡眠薬を飲んだ方がいいのだろうか。。。
そんな風に悩んでいませんか?
眠れないのはつらいですよね。そんな日が続かないか不安ですよね。もしかしたら不眠症かもしれない!?と心配になりますよね。
お気持ちわかります。
ただ、実は眠れないという自分の思い込みが自分を苦しめていることがあるのはご存知ですか?
今回、本当に自分が眠れていないか、不眠症と呼ばれる病気なのかということに関して、睡眠健康指導士で薬剤師のねんねこねむと今一度一緒に考えていきましょう!
もくじ
不眠症=眠れない人、ではない!
「不眠症」という言葉を聞くと皆さん、眠れない人=不眠症と想像すると思うのですが、本当にそうなのでしょうか?
不眠症は、睡眠障害国際分類(ICSD-3)の中で7つに分類される疾患群のうちの1つです。
その定義は以下のようになります。
不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。
e-ヘルスネットより引用
つまり、睡眠時間が短い、眠れない、途中で起きてしまう、だけでは不眠症とは言えず、日中にそれに伴う身体的不調が表れて初めて不眠症と呼ばれます。
また、これらの症状が週3日以上、3か月間続くと慢性不眠症という診断になります。
皆さんはいかがですか?
日中の強い眠気やだるさは感じているでしょうか?
それにより生活に支障が出ているでしょうか?
日中の体調が問題ないのであればあなたは不眠症ではありませんので安心してください^^
一時的な不眠であれば誰しもが経験しますが、基本的には自然と眠れるようになっていきます。
不眠症は睡眠の長さでとらえるのではなく、眠れない日が続くことによって日常生活に支障をきたすかどうかで見極めよう!
もしもこの時点で不眠症の症状に当てはまっている方は、とりあえずこの記事を最後まで読んでいただき、それでも各項目に当てはまらなければ専門クリニックへの受診をお勧めします。
そちらに関しても、最後に触れますね。
睡眠時間に固執していませんか?
巷では8時間睡眠が良い!というウワサもありますが、様々な研究より医学的にみると7時間程度が健康的な睡眠と言われています。
それが言えるのも一部の年齢層であり、基本的に睡眠は年齢とともに短くなる傾向にあります。ちなみに、季節や性別でも変わってきます。
エムール睡眠・生活研究所より引用
た・だ・し
自分に合った睡眠の長さは人それぞれです!4時間しか眠れなくてもスッキリ起きれて活動できる方(ショートスリーパー)もいますし、10時間近く眠らないと寝足りないという方(ロングスリーパー)もいます。
皆さんはどうでしょう?
何時間くらい寝た時が一番快適ですか?
眠れない人の中には、
8時間寝なきゃ!!( ゚Д゚)
昔のように長時間眠っていたい。。。(*´Д`)
そのように睡眠時間に縛られてしまっている方がいます。
何度も言いますが、睡眠時間は人それぞれです!同じ自分でも年齢や体調により睡眠時間は変わります!
睡眠時間や起きた回数にこだわりだすと余計眠れなくなったり、睡眠への恐怖感が増してしまいますので気にしないようにしましょう!
睡眠時間は「今の」「自分に」合っているかで見てみましょう!
一つの基準は、”日中眠気がないか” ”朝スッキリ起きれるか” です。
眠れない原因はないか
眠れないでいると、自分が他と違っておかしいんじゃないか?ストレスがかかり過ぎてしまっているのだろうか?と心配になってしまうことありますよね。
逆に、何も思い当たることがないのに突然眠れなくなってしまって不安に思う方もいると思います。
実は知らないところで眠れない原因があるかもしれませんので、こちらの章で確認していきましょう。
ストレス
これはみなさんまず思い浮かびますよね。ご存知の通り、ストレスを感じていると眠りにくくなります。
ただ、このストレス、悪いことだけとは限りません。
会社で昇進した!
マイホームに引っ越した!
結婚した!
など、幸せなイベントでも普段の環境と異なることが起きると、実は体にストレスがかかっているのです。
みなさんは最近環境の変化はありませんでしたか?
もしかしたらその変化によるストレスで不眠になっているかもしれません。
ストレスの場合は、その原因が取り除かれれば元に戻る場合が多いです。良い出来事だった場合も一時的で自然と元に戻る傾向にあります。
まず、自分のストレスがどこから来るのかをきちんと見極めることが大事です。
体の病気
何かしらの体の異常によるニ次的要因として不眠が出る場合があります。
例として、
消化器疾患:逆流性食道炎や胃潰瘍による胸やけや胸痛による不眠
心臓疾患:動悸や胸痛による不眠
呼吸器疾患:喘息や風邪による咳、鼻詰まりによる不眠
皮膚疾患:痒みや痛みによる不眠
と、挙げ出したらキリがなく他にも様々あります。生活習慣病の高血圧や糖尿病でも不眠になることがあるくらいです。
また、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は本人が気づかずに発症していることがよくあります。
睡眠時無呼吸症候群の方は起きた時に頭痛や体のだるさを覚える方が多く、日中も眠気が強く現れます。
むずむず脚症候群の方は、寝る時じっとしていると文字通り足がむずむず動かしたくなるような感覚になり、なかなか寝付けないと言うことがあります。実際の声で多いのが、むずむずよりも足が熱い感じ、ジンジンする感じと話す方の方が多いです。
どちらも眠れたとしても睡眠の質が悪く、長時間寝たはずなのに日中の眠気が強い、という現象に陥りやすいです。
眠れない理由が何からきているのか、まずは不眠以外で他に症状がないか意識してみましょう!
睡眠を俯瞰して見る
眠れない、ということに不安になってしまう方の多くは、
今日眠れない!どうしよう!ヽ(´゚д゚;≡;´゚д゚
)ノアタフタ
この前も眠れなかったよな…自分大丈夫かな…orz
といったように、その日その日の睡眠に一喜一憂し、眠れなかったことだけを思い出して不安になります。
よーく思い出してみてください。
眠れなかった日の翌日、またはその翌日にぐっすり眠れた日はなかったですか?
不眠は確かにお辛いですが、不眠で死んだ人はいません。
人間の体はホメオスタシスと言って、疲れたりダメージを受けた分、回復させようとするシステムが備わっています。
つまり眠れない日が続いて体にダメージが溜まっていくと、どこかで体を休ませようと眠るようにできています。
睡眠は俯瞰して見ることが大事です。その方法として睡眠日誌がおすすめです!自分の睡眠の記録をつける睡眠日誌を1〜2週間行ってみると、
あれ、この日結構眠れていたな!∑(o’д’o)ハッ!!
思ったより眠れてない日が少なかったかも!(*゚∀゚*)
といった発見があるかもしれません。
眠れなかった日があっても、そのうち眠れる日が来るからまぁいっか_(:3」z)_
くらいの気持ちでいることがホント大事です!
間違った睡眠習慣
自身の睡眠を改善しようと前向きになりことはとても良いことなのですが、人によっては間違った噂や情報に踊らされ、良くない睡眠習慣を行なっている場合があります。簡単なものですが、一緒に確認してみましょう!
早くベッドつく
眠れないでいると、少しでも長く寝ようと眠くもないのにベッドに早く向かう方がいます。
これ、ホント危険です!
体にはリズムがあり、ホルモンや体温で眠くなる時間帯が決まっています。体が眠る準備ができていないのにベッドに入っても、目だけ冴えてしまい、眠れないことに不安を覚え、焦り、より眠くならないという悪循環に陥ります。
眠くなったら床につく!これ鉄則です!
眠れないのにベッドにしがみつく
早くベッドにつくと関連して危険なのが、なかなか眠れないのにずっとベッドにいることです。
眠れるはず、眠らなきゃ、と眠ることに必死になっていると逆に不眠になってゆきます。とりあえず体を休められればいいや、と横になって目を瞑っていたとしても、このタイミングではNG行為です。
前項でも言いましたが、体が眠る体勢に入っていないのにベッドにいても眠れません!
人間の脳のおバカちゃんなところは、ベッドで眠れない時間が長いと、「ベッドは眠らない(眠れない)場所」と認識してしまうのです。これを条件付けといい、場所と認識や感情を結びつけてしまうんですね。
眠くなってからベッドに行ったのに、入った途端に目が冴えてしまう…( ✧Д✧) カッ!!
こういう方いませんか?
これは、脳がベッドを眠らない(眠れない)場所と勘違いしてしまっている可能性が高いです。
こういう時は、10〜15分ベッドで横になり、眠れなかったらまたリビングに戻り、眠くなるまで待ってからベッドに行くということを繰り返し、脳にある「ベッド=眠れない場所」という鎖を外さなければいけません。
眠っている時間≒ベッドにいる時間、となるようにギャップをなくしていきましょう。
「眠る」以外はベッド(布団)の上で過ごす時間を極力少なくしましょう!
昼寝で補填
昼寝自体は良い効果もあるのですが、行う時間帯と長さに注意する必要があります。
15時までの30分以内の昼寝ならば、むしろ眠気や疲れを解消し、午後の活動効率を上げてくれます。しかし、それ以上寝てしまうと、ノンレム睡眠という深い睡眠に入ってしまい、起きた時にぼーっと頭が重くなってしまいますし、夜の睡眠の質に影響してしまいます。また、短かったとしても、夕方に寝てしまうと、これもまた夜の睡眠に影響を与えてしまいます。
夜眠れない分を長い昼寝で補填しようとしてはいけません。
昼寝(仮眠)は行う時間帯と長さに気をつけよう!
目を瞑り机にふせているだけでも脳を休ませることができますので試してみましょう!
お酒、タバコでリラックス
コーヒーなどのカフェインは睡眠に良くない、というのはみなさん周知の事実かと思います。
実はお酒やタバコも睡眠の質を落とす嗜好品であり、本人はリラックスしているつもりでも睡眠の質を下げ不眠や疲れの原因になっているかもしれません。
お酒(アルコール)は確かに催眠効果があるため、一時的に眠くなり寝入りが良くなったように感じますが、その後代謝され催眠効果がなくなると覚醒しやすくなり、中途覚醒したり眠りが浅くなってしまいます。また利尿効果(おしっこを出しやすくする効果)もあるため、より目が覚めやすくなってしまいます。
アルコールで怖いのは耐性です。眠るためにお酒を飲む(寝酒)習慣のある方は、飲んでいるうちに同じ量では眠れなくなり、どんどんお酒の量が増えていくことでアルコール依存症になってしまう可能性があります。肝臓への負担もかかるため、肝障害に陥る危険性もあります。
お酒を楽しむことは良いのですが、寝酒はしないようにしましょう。
寝る前にタバコを一服している方も注意してください。タバコは一見してリラックス効果があるように思えますが、タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、寝る前に喫煙することで不眠や夜間の覚醒など睡眠に悪影響を及ぼすことが報告されています。
吸うな!と言うわけではありません。代謝時間を考えると、就寝の2時間前までに済ませるようにしましょう。
嗜好品を楽しむのも時間に注意してみましょう!
休日の寝だめ
平日頑張って働いて、学んで、休日くらいゴロゴロしたいですよねw
もちろんゆっくり体を休めていただいて良いのですが、寝過ぎてしまうと体のリズムが崩れ、翌週からの気力や睡眠に影響が出てしまうことがあります。それを証明する実験があります。
ソニー生命 特集「土日の寝だめが『時差ぼけ』を起こす?『ソーシャル・ジェットラグ』とは」より引用
自分にもすごくあてはまる…とドキッとしませんでしたか?
「寝だめ」は成立しません!
週末に長時間眠るのは「ソーシャルジェットラグ」と呼ばれ、自身で時差ボケを作っているようなものです。体内リズムを崩さないためには、休日でも平日と同じようなリズムが望まれます。
「いやいや、ちょっと待ってくださいよねむさん。疲れてんだからゆっくりしたいよ!平日と同じ時間に起きろってのかい!?ヽ(`Д´#)ノ」
…そんな声が聞こえてきそうですが、安心してください!
睡眠学では、起床時間が2時間以内の差であれば体内リズムが乱れにくいと言われています。ですので、休日は普段起きている時間より2時間はゆっくり寝ていただいて大丈夫です。ただ、それ以上となりますと週明けの自分にしっぺ返しがきますので、注意が必要です。
平日を整えるの休日の過ごし方!リズムを崩さないように少し意識してみましょう!
病院は専門機関を選ぶべき
ここまで見てきていかがだったでしょうか?
ご自身の考え方や行動に当てはまるものはありましたでしょうか?
もしも自身で考え方や行動を変えてみることで解消できそうならば、まずはぜひ取り組んでみてください!
取り組んでみたけれどなかなか不眠が解消されない、どれにも当てはまらず睡眠障害の可能性がありそう、不安だから病院にかかろうと思っている、そんな方は近くの手頃な内科ではなく、睡眠外来をしている専門機関への受診をお勧めします。近くに専門の睡眠外来がない場合は、話をよく聞いてくれる心療内科がいいでしょう。
睡眠の相談をする場合、本人の考え方や生活習慣などさまざまなことを聞き取った上で、睡眠衛生指導を基本として睡眠薬の処方などを検討しますが、一般の内科ですと、診察時間が短いことが多く、また内科の医師では十分な睡眠指導もできず、とりあえず困っているから睡眠薬を処方するという形になってしまいます。
睡眠薬は悪者ではないですが、きちんとゴールを見据えてスタートしないと漫然と続けてしまい、ものによっては依存が出てしまいます。
きちんと話ができて、睡眠薬だけに頼らない専門の医療機関に受診することで、悩みが解消されやすいでしょう。
とは言え、専門機関はなかなか近場にはなく、時間を作ったり受診の覚悟を決めるのも大変ですよね。
こちらのブログでは、「診断」はしないものの、睡眠の正しい知識や質を上げるのに役立つ方法などを発信していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
まとめ
「病は気から」という言葉があるように、睡眠も気にしすぎたり、完璧を求めすぎるとドツボにハマることがあります。まずは自身の睡眠を俯瞰して見ることで、本当に眠れていないか、睡眠の勘違いをしていないか、自分の睡眠の状態がどうなのか、現状を確認しましょう。
もちろん、理想を掲げてはいけない、と言うわけではありません。誰しもが皆、もっとよく眠りたい、気持ちよく朝を迎えたいと思っていると思います。
ただ、今の自分の状態を知らないと理想に近づけるにもどうしていったら良いのかがわからなくなってしまいます。
皆さんの理想の睡眠がデザインできるように、今後も知識や技術を紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします(^^)